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2023.06.20

彼女の結婚の決断に間違いはなかったのか。66年前に知られざる結婚秘話があった。

彼女はある年の誕生日に

お付き合いをしている彼から

真っ赤なハイヒールをプレゼントされた。

彼女は貰って直ぐにその靴をはいて

飛び跳ねるように喜んで歩いてみせた。

しかし

そのうち雨になり道には沢山の水たまりが出来てしまい

彼女は貰ったばかりの靴を濡らすまいと

必死に水たまりを避けて歩いていた。

そんな彼女の行動を見て彼がこう聞いてきた。

「僕がおんぶしましょうか?恥ずかしくなければ・・」

そう言いながら、背中を丸めかがみこむ彼。

「どうぞ」と言わんばかりに自分の背中を指さしている。

まだお付き合いして間もない頃だったが

彼女はその瞬間に「結婚するならこの人だ!!」

と直感し、それから死が二人を別つまでの66年間

幸せな結婚生活を送ってきたのだった。

しかし

先日彼女が先に逝ってしまい骨になった姿を見た彼は

その場で崩れ落ち・・・そしてただただ泣いた・・・

これはうちの両親の結婚前の秘話。

母の自慢話だった。

何度聞かされたか知れやしない。

先日この話を兄貴に話したら「初耳だ」と言う。

そして「親にも青春があったんだなぁ」と一筋の涙を流した。

結婚にはある程度の条件は必要かもしれないが

私はこんな直感の方が大事だと思ってみたりもする。

結婚相談所をしている私がこんな事を言うのもなんだが

「その人と一緒に居て、自分らしくいられるかどうか」

これだけの条件でいいような気がしている。

だって母はこの後、父の背中にしがみつき

雨の中をしばらく歩いたそうな。

恥ずかしいなんて思うことなく

母は自慢げにおぶさっていたに違いない。

そして、私の知っている母は

いつもずっと自分らしく

やりたい事をやりたいようにやって生きていた。

これからの長い人生、

自分らしく生きていければそれだけで幸せなんじゃないだろうか。

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